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神経を取った歯は寿命が短い? ― ケースバイケースで変わる現実
歯科治療を受ける中で「神経を取った歯は寿命が短いのですか?」と質問をいただくことがよくあります。
結論から言うと、寿命が短くなる可能性はありますが、ケースバイケースです。そして実際には治療の方法や配慮によって大きく差が出ます。
神経を取ると歯が弱くなる理由
学生時代に学んだ理屈としては以下の通りです。
- 大きな穴を開ける必要がある
神経を取るために大きく削るため、歯そのものが脆くなります。 - 歯の栄養が絶たれる
神経を失うと水分量が減り、歯が割れやすくなると考えられています。 - 被せ物にする際にさらに削る
土台を立て、被せ物に仕上げる際にさらに歯を削ることで、歯根破折(歯が割れる)リスクが増します。
神経を残す治療法も進化している
近年では 神経を残す治療法 に注目が集まっています。
- Vital Pulp Therapy(生活歯髄療法)
- MTAセメントを用いた神経保存法
これらは神経を温存し、歯の寿命を延ばすための有効な方法です。
とても良い流れですが、残せたと思った神経が壊死してしまい、逆に感染が広がるケースもあります。
その場合は結局、神経を取らざるを得ません。
神経を取った歯でも長持ちさせる方法
私の考えとしては、①と③に注意すれば、神経を取った歯でも長期的に保存が可能だと感じています。
- ①大きな穴を開ける → 削る量を最小限にとどめる
- ③被せ物にする際の大きな削合 → エナメル質をできるだけ残し、セラミックで被覆する
この工夫により歯の剛性(強度)は大きく回復するというデータも出ています。
治療法によって結果が変わる
同じ「神経を取った歯」でも、治療を受けた医院によって結果は大きく異なります。
- A歯科医院:大きく削られ、金属でほぼ置き換えられてしまった歯 → 割れやすくなる
- B歯科医院:歯の大部分を残し、エナメル質とセラミックを一体化 → 強度が保たれる
つまり「神経を取ると必ず歯の寿命が短い」というのは半分正解ですが、実際は治療の質と配慮によって大きく変わるのです。
まとめ
神経を取った歯は確かに弱くなるリスクがありますが、
- ①削る量を最小限にする
- ③被せ物でエナメル質を残しつつ補強する
といった工夫により、長期的に維持することも十分可能です。
一度神経を取ることになったとしても、治療法や医院選び次第で結果は変わります。
お悩みの方はぜひご相談ください。