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セラミックは割れる?(→適切な材料選択と接着で長期安定)
「セラミックって割れやすいんですよね?」
患者様からよくいただくご質問です。白くて美しい材料として知られている一方で、「ガラスみたいにすぐ割れてしまうのでは?」という不安を抱かれる方も少なくありません。
セラミックには種類と適応がある
実は「セラミック」と一言でまとめても、いくつか種類があり、それぞれ強みと使いどころが異なります。
- 長石系セラミック
前歯のラミネートベニアなどに使用。最大の透明感を誇る一方で強度は低め。 - 二ケイ酸リチウム(e.max、LiSiなど)
自然な色調と適度な強度を兼ね備え、単冠(1本の被せ物)や小さな修復に最適。ただしブリッジには適応されません。 - ジルコニア
非常に高い強度を持ち、臼歯部やインプラント上部構造など強い力がかかる部位に適応。審美性も向上しており幅広い用途があります。 - メタルセラミック
金属フレームとセラミックを組み合わせた材料で、強度に優れています。特に連結冠(歯を複数つなげる治療)に有利で、歯が少なくなってきた方の支台設計にも適しています。
割れないための条件
たとえ長石系セラミックのように強度が低い材料であっても、条件を守れば長期に安定します。
特に大切なのは次の2点です。
- エナメル質をできるだけ保存すること
- ラバーダム防湿下での正確な接着操作
これによりセラミックと歯が一体化し、むしろ天然歯以上の安定性を得られることもあります。
臨床経験からわかること
私は開業して10年間で数千本のセラミック治療を行ってきました。その中で純粋に「割れてしまった」というケースは10件にも満たないのが現実です。材料選択と手技を徹底すれば、セラミックは決して「割れやすい材料」ではありません。
まとめ
セラミックは種類ごとに適応範囲が異なります。二ケイ酸リチウムは単冠に、ジルコニアは強度が必要な部位に、メタルセラミックは連結にと、それぞれの強みを生かすことが大切です。
正しい診断と手技を前提にすれば、セラミックは長期的に安定し、美しさと機能を両立できる安心できる治療法です。