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矯正で歯は弱くならない?(→正しい管理でむしろ健康に)
「矯正治療を受けると歯が弱くなるのでは?」
患者様からよくいただく質問です。確かに矯正は歯を動かす治療である以上、歯や骨に負担をかけるのではないかと心配になる気持ちは自然だと思います。ここではその疑問にお答えします。
歯列不正はなぜ起こるのか?
まず前提として「なぜ矯正治療が必要になるのか」を考える必要があります。
- 遺伝的要因
骨格的に出っ歯や受け口、顎の左右差があるケース。 - 環境的要因
近年特に大きいのはこちらです。現代の子どもは小顔で顎が細く、歯が並ぶスペースが足りない傾向があります。歯の大きさは昔とほとんど変わらないのに顎が小さくなったため、歯列不正が増えているのです。
また、アレルギーや鼻炎の影響で口呼吸が増え、舌の位置が下がってしまうことも歯並びの乱れに拍車をかけています。
矯正治療が歯や骨に与える影響
矯正は歯に力を加え、周囲の骨を「リモデリング(作り替え)」することで移動を促します。
- 強すぎる力
歯や骨にダメージを与え、逆に組織を失ってしまうことがあります。 - 元々組織が薄い場合
歯茎や骨が少ないと、移動によって歯が下がってしまうリスクが高まります。
したがって「適切な診断」と「無理のない力の設定」が極めて重要です。
術後の安定に必要なこと
「歯を並べる」ことは矯正治療の第一歩にすぎません。重要なのは治療後の安定性です。
- 保定(リテーナー)
歯は元の位置に戻ろうとする性質があるため、治療後は一定期間リテーナーを使用して安定させる必要があります。 - 周囲組織の造成処置
骨や歯茎が薄い場合には、必要に応じて造成処置を加えることで長期安定性が高まります。
実際の臨床から
ただ「歯を並べるだけ」だと後戻りのリスクは高くなります。
しかし、呼吸や舌の位置、生活習慣を踏まえた診断と適切な処置を組み合わせれば、矯正治療は決して歯を弱くするものではありません。むしろ噛み合わせのバランスが整い、清掃性が高まることで歯を長く守れる可能性が広がります。
まとめ
矯正治療は「歯を弱くする」のではなく、「正しく行えば歯を守る治療」です。
大切なのは、無理のない力・的確な診断・治療後の安定性への配慮です。
ご自身のお口の状態に合わせて最適なプランを立てることが、歯を長持ちさせる一番の近道だと考えています。