歯科医師の健康管理術 ― 長く現役で診療を続けるために
はじめに
歯科医師という職業について、皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか?
一昔前は「外車に乗り、週末はゴルフやクルーザー、グルメ三昧」といった華やかな印象を持たれていた時代もありました。バブル期に開業した世代ではそうした先生も確かに存在しましたが、現在の若い歯科医師は地道で真面目な方が多く、私自身もその一人だと感じています。
ただ、時代が変わっても共通して言えるのは、歯科医師は自分が倒れてしまえば医院の経営が止まってしまうリスクが高い仕事だということです。特に多店舗展開していない個人院では、院長の健康=医院の存続そのもの。だからこそ、歯科医師自身の健康管理は欠かせません。今回は少し横道に外れて、私が実践している健康管理術についてご紹介します。
お酒との付き合い方
歯科医師の生活は、学会や勉強会、同業者との懇親会など、お酒の席と切り離せない場面も少なくありません。かつての私も「休肝日ゼロ」で晩酌をしていた時期がありました。
しかし近年の研究では、「お酒は百薬の長」とは言えないエビデンスが次々に示されています。実際に私自身も体重の増加やパフォーマンスの低下を感じるようになり、コロナ禍をきっかけに習慣飲酒をやめました。
現在は会合の場で適度に楽しむ程度にとどめ、日常的な飲酒習慣を断ち切ることで、翌日の診療や集中力に大きなプラスを感じています。お酒との距離感を見直すことは、歯科医師としてのパフォーマンス維持に直結する健康管理のひとつだと考えています。
運動習慣と筋トレの重要性
以前はマラソン大会に出場するなど有酸素運動を中心に行っていましたが、現在は筋力トレーニングを軸にしています。歯科医師は診療中に同じ姿勢を保つことが多く、腰痛や肩こりに悩む先生も少なくありません。筋力を鍛えることで姿勢を支えやすくなり、診療時の疲労感も軽減されます。
また、普段の生活でも「歩くこと」を意識し、階段を選んだり、通勤や買い物の際にできるだけ身体を動かすようにしています。無理な目標を立てるのではなく、日常の中で続けられる運動習慣を作ることが、生涯にわたって歯科医師として働き続けるための基盤になると感じています。
食事とPFCバランスの工夫
食生活では「PFCバランス(タンパク質・脂質・炭水化物)」を意識しています。朝と昼はほぼ固定メニューにしており、朝は自分で用意した簡単な高タンパクメニュー、昼は週末に低温調理した鶏肉をタッパーに入れて弁当にしています。これにより栄養と摂取量を安定させつつ、忙しい診療中でも効率よく栄養補給ができます。
夜は家族と一緒に幅広く楽しめる食事にしており、1日のバランスを取るようにしています。タンパク質をしっかり摂ることは体力維持や集中力に直結し、糖質や脂質を適切にコントロールすることで、体重や体調の安定にもつながります。栄養バランスを考えた食事管理は、忙しい歯科医師こそ取り入れるべき健康管理法といえるでしょう。
デジタルデトックスと手書きの習慣
最近はデジタルデバイスの活用で、食事や運動をアプリで管理する先生も増えています。私も試しましたが、現在はあえて「手書きのノート」に記録するようにしています。紙に書くことで頭が整理され、スクリーンを見続ける疲労から解放される効果も感じます。
また、スマートフォンやパソコンの使用時間を制限する「デジタルデトックス」にも取り組んでいます。手書きの日記をつけたり、読書の時間を確保することが、精神的な安定にもつながっています。心身ともに健康でいることが、結果的に患者様に良い治療を届ける力になると実感しています。
まとめ
歯科医師にとって、健康管理は自分のためだけでなく、患者様や医院のためでもあります。
- 習慣的なお酒を控える
- 無理なく続けられる運動を取り入れる
- 自分で作る朝昼の固定メニューと、低温調理した鶏肉弁当で栄養管理
- デジタルデトックスで心身をリフレッシュする
これらはどれも特別なことではなく、少しの意識で始められるものばかりです。
歯科医師の健康は、診療の質に直結します。
私自身も今後30年現役で診療を続けるために、日々の健康習慣を大切にしています。この記事が、患者様にとっても健康的な生活を考えるきっかけになれば幸いです。