インプラントを勧められたら確認すべき5つのこと― 桜新町の歯科医師が正直に解説
【執筆者】こもり歯科クリニック 院長 小森 真樹(日本顎咬合学会 指導医・桜新町)
「抜歯が必要で、インプラントを勧められた」「複数の歯が悪くなってきて、インプラントを検討している」――インプラント治療はその有効性が広く認められている一方で、患者様から「本当に必要なのか」「費用がどのくらいかかるのか」「将来のリスクは?」という不安の声を多く耳にします。
インプラントは適切に行われれば非常に有効な治療ですが、すべての患者様に最適というわけではなく、また医院によって治療の質・費用・説明の丁寧さに大きな差があるのも事実です。この記事では、インプラントを勧められた際に患者様が確認すべき5つのポイントを、日本顎咬合学会指導医の立場から正直にお伝えします。
確認ポイント①本当に自分の骨の状態でインプラントができるのか
インプラントは顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込む治療です。そのため、骨の量・質・位置が十分でなければ、そのままではインプラントを埋め込めないケースがあります。
「インプラントができる」と言われた場合も、「骨が足りないが骨造成(GBR)やサイナスリフトという追加手術で対応する」という前提が含まれているケースがあります。追加手術が必要な場合、治療期間・費用・身体への負担が大きく変わってくるため、必ずCTによる骨の評価結果を確認してください。
確認すべき質問
- CTで骨の量・質を評価した上での判断か
- 骨造成などの追加手術が必要になる可能性はあるか
- 骨造成が必要な場合、費用・期間はどう変わるか
当院ではCTを用いた精密な骨の評価を行った上で、インプラントの適応と安全性をご説明します。「骨が足りない」と他院で言われた方のご相談も歓迎しています。
確認ポイント②インプラント以外の選択肢はないのか
歯を失った場合の治療法はインプラントだけではありません。主な選択肢として、ブリッジ(両隣の歯を支台にする固定式の補綴)、部分入れ歯(取り外し式の義歯)、インプラント、歯の移植(余っている歯を植え替える処置)の4つがあります。それぞれにメリット・デメリットがあり、患者様の年齢・骨の状態・全身疾患・ライフスタイル・費用・希望によって最適な選択肢は異なります。
「インプラント一択」という提案をされた場合、他の選択肢についても説明を求めることは患者様の当然の権利です。特に高齢の方・全身疾患がある方・骨粗鬆症の薬を服用中の方は、インプラントのリスクが高まる場合があるため、慎重な判断が必要です。
インプラントが適さないケースの例
- 骨粗鬆症治療薬(ビスフォスフォネート製剤)を服用中の方
- 糖尿病のコントロールが不良な方
- 重度の歯周病が残存している方(先に歯周病治療が必要)
- 喫煙者(インプラント周囲炎のリスクが高い)
- 全身的な理由で外科処置が困難な方
確認ポイント③費用の内訳と追加費用を明確にしてもらう
インプラント治療でトラブルになりやすいのが費用の問題です。「1本〇〇万円」という提示を受けたとき、その金額に何が含まれているかを必ず確認してください。
費用に含まれているか確認すべき項目
- 術前検査(CT撮影・精密検査)の費用
- 骨造成・サイナスリフトなどの追加手術が必要な場合の費用
- 仮歯の費用
- 上部構造(被せ物)の費用と素材の種類
- 術後定期メンテナンスの費用と頻度
- 万が一トラブルが起きた場合の保証内容
「治療を始めてから追加費用が次々と発生した」というご相談を当院でもお聞きすることがあります。治療前に総額の目安を文書で確認し、不明点は遠慮なく質問することが重要です。当院では治療前に費用の内訳を明確にご説明した上で、ご納得いただいてから治療を開始します。
確認ポイント④メンテナンスと将来のリスクについて説明があるか
インプラントは「一度入れたら永久にもつ」ものではありません。長期的に機能させるためには適切なメンテナンスが不可欠であり、また「インプラント周囲炎」という歯周病に似た感染症のリスクも存在します。
インプラント周囲炎とは
インプラント周囲の骨や歯肉が細菌感染によって失われていく疾患で、進行すると最終的にインプラントが脱落することがあります。天然の歯と違い、インプラントには歯根膜(歯と骨をつなぐクッション組織)がないため、一度感染が進行すると進みやすいという特性があります。
喫煙・糖尿病・口腔衛生不良・歯ぎしりはインプラント周囲炎のリスクを高めます。インプラントを長持ちさせるためには、術後の定期的なメンテナンス(最低でも3〜6ヶ月に1回)と患者様ご自身の日々のセルフケアが不可欠です。
治療前の説明でメンテナンス体制・リスクについて触れられなかった場合は、必ず確認してください。
確認ポイント⑤担当医の経験・設備・専門性を確認する
インプラント治療は外科処置を伴う高度な治療であり、担当医の経験・技術・設備によって結果に大きな差が出ます。「どの歯科医院でやっても同じ」ということはありません。
確認しておきたいポイント
- インプラントの年間症例数・累計症例数
- 歯科用CTによる術前の骨評価を行っているか
- インプラント周囲炎への対応・アフターケア体制
- 難症例(骨不足・全身疾患など)への対応実績
- 術後のメンテナンスを同じ医院で継続して行えるか
当院では、インプラントを勧める前に必ずCT撮影による精密診断を行い、他の選択肢との比較も含めて丁寧にご説明します。また日本顎咬合学会指導医として、インプラント後の噛み合わせの設計・調整にも力を入れており、単に「埋め込む」だけでなく、全体の咬合バランスを考慮した治療を行っています。
セカンドオピニオンとしての活用を
インプラントを勧められて迷っている方、他院での治療計画に疑問がある方は、当院へのセカンドオピニオンをご検討ください。保険診療の範囲内で口腔内写真・パノラマX線を含めた診査を行い、インプラントが本当に必要か・他の選択肢はあるか・どのようなリスクがあるかを正直にお伝えします。
「インプラントを勧められたが不安で踏み切れない」という方、「費用や期間の見通しをもう少し詳しく知りたい」という方も、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ
インプラントは適切に行われれば非常に有効で長持ちする治療です。しかし「勧められたからすぐ決める」のではなく、上記の5つのポイントをきちんと確認した上で、納得して選択することが大切です。
- 骨の状態をCTで評価した上での判断かを確認する
- インプラント以外の選択肢も比較検討する
- 費用の内訳・追加費用・保証内容を明確にしてもらう
- メンテナンス体制・将来のリスクについて説明を受ける
- 担当医の経験・設備・専門性を確認する
桜新町・世田谷区周辺でインプラントについてご相談・セカンドオピニオンをご希望の方は、こもり歯科クリニックにお気軽にご連絡ください。
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