根管治療が終わらないと感じる理由|回数がかかるのには意味がある
桜新町の歯科医師が解説|こもり歯科クリニック 院長 小森真樹(臨床歴19年・日本顎咬合学会 指導医)
根管治療は通院回数が多くなりやすく、「なかなか終わらない」と不安に感じる方が少なくありません。お気持ちはよく分かります。ただ、根管治療に回数がかかるのには、はっきりとした理由があります。私は、この治療こそ、急がず丁寧に進めることが歯の将来を決めると考えています。この記事では、なぜ回数がかかるのか、その意味をお伝えします。
根管治療が時間を要する理由
根管治療は、歯の根の中にある、細く複雑な管の中を清掃し、細菌をできるだけ取り除く治療です。根の中は肉眼では見えにくく、形も人によってさまざまで、枝分かれしていることもあります。この見えない空間をていねいに処置し、炎症が落ち着くのを確かめながら進めるため、どうしても複数回に分かれるのです。
とくに回数が増えやすいケース
感染が強い場合
根の中の細菌や炎症が強い場合は、状態が落ち着くまで処置を重ねる必要があります。
以前の治療をやり直す場合
過去に治療した歯を再び治療する場合は、以前詰めた材料を取り除く工程が加わるため、回数が増えやすくなります。
途中で中断してはいけない理由
「痛みがなくなったから」と通院を中断すると、根の中で再び細菌が増え、せっかくの処置が無駄になってしまうことがあります。一度開けた根の中は、最後まで処置を終えて密閉しなければ、外から細菌が入り続けます。終わったように見えても、終わっていないのが根管治療の途中段階です。
私が根管治療を急がない理由
根管治療は、その歯を抜かずに残すための、最後の砦のような治療です。ここでの処置の質が、その歯をこの先何年使えるかを左右します。だから私は、回数を減らすことよりも、一回一回をていねいに行うことを優先します。時間がかかることは、決して効率が悪いのではなく、その歯を長く残すために必要な手間なのだと、ご理解いただけたら嬉しいです。
不安なときは、遠慮なく
通院が続くと感じても、途中でやめず、最後まで治療を受けることが何より大切です。なぜこの回数が必要なのか、あとどのくらいかかるのか、気になる点は担当の歯科医師に遠慮なく尋ねてください。納得して進めることが、良い結果につながります。