歯の食いしばりの原因とは|無意識のうちに起こる、その本当の仕組み
桜新町の歯科医師が解説|こもり歯科クリニック 院長 小森真樹(臨床歴19年・日本顎咬合学会 指導医)
食いしばりは、自分では気づかないうちに起こっていることがほとんどです。だからこそ「なぜ自分は食いしばるのか」と原因を知りたくなるのだと思います。私は、食いしばりの原因を理解することは、それと上手に付き合う第一歩だと考えています。この記事では、食いしばりがなぜ起こるのか、その仕組みを解説します。
そもそも、歯は触れていないのが自然
多くの方が誤解されているのですが、上下の歯は、食事や会話のとき以外は触れていないのが本来の状態です。一日のうち歯が接触している時間は、ごくわずかにすぎません。ところが、無意識のうちに歯を当て続けてしまう癖があると、それが食いしばりになります。まず、この「触れていないのが普通」という感覚を知ることが大切です。
食いしばりの主な原因
- ストレスや緊張による、心身のこわばり
- 集中しているときに、無意識に歯を当ててしまう癖
- 睡眠中に起こる食いしばりや歯ぎしり
- 噛み合わせの偏り
とくに、日中の集中時の食いしばりは見落とされがちです。デスクワークやスマートフォンの操作中など、何かに集中している時間に、知らず知らず歯を当てている方は少なくありません。
なぜ無意識に起こるのか
食いしばりの多くは、脳が緊張やストレスに反応した結果として、無意識に現れます。意識してやめようとしても、気づいたときにはまた始まっている——これが食いしばりの厄介なところです。だからこそ、意志の力だけで止めようとするのではなく、原因となる緊張そのものに目を向ける必要があります。
食いしばりが続くと起こること
強い力がかかり続けると、歯のすり減りや痛み、欠け、顎の疲れや不調など、さまざまな影響が出てきます。一見、歯とは関係なさそうな顎や首まわりの不調が、食いしばりと結びついていることもあります。
私が原因を一緒に探る理由
食いしばりは、その方の生活や心の状態を映す鏡のようなものだと、私は感じています。歯を守るためには、力がかかる結果だけでなく、なぜ緊張が生まれているのかという背景にも目を向ける必要があります。原因に気づくことが、対処の出発点です。食いしばりの自覚がある方は、一度歯科で相談してみてください。