根管治療を何度繰り返しても再発してしまう方へ― 「また膿んだ」を終わらせるために【桜新町の歯科医師が解説】
こもり歯科クリニック 院長 小森 真樹(日本顎咬合学会 指導医・桜新町)
「10年前に神経を取った歯がまた膿んできた」「根管治療を3回繰り返しているのに治らない」「歯医者に通い続けているのに同じ歯が何度もおかしくなる」――こうした悩みを抱えて来院される方が、当院には少なくありません。
根管治療は一度行えば終わりではありません。再発することがあります。しかし「再発を繰り返す」状況には、必ず原因があります。その原因を理解することが、「また膿んだ」の繰り返しから抜け出す第一歩です。
根管治療が再発する3つの主な原因
①初回治療での感染の取り残し
根管(歯の根の中の管)は非常に複雑な形態をしています。分岐していたり、極細の副根管があったり、大きく湾曲していたりします。これを肉眼で完全に清掃するのは非常に困難です。感染した組織や細菌が取り残されると、被せ物をした後も内部で感染が持続し、数年後に再発します。
②根管の見逃し(未処置根管)
奥歯には根管が3〜4本以上あることがあります。レントゲンだけでは確認できない根管の存在を見逃したまま治療が終わると、処置されていない根管が感染源となり続けます。CTによる三次元的な評価とマイクロスコープによる拡大視野が、見逃しを防ぐ上で重要です。
③根管充填(封鎖)の不完全さ
根管の清掃が終わった後、管を隙間なく封鎖する「根管充填」の精度も非常に重要です。充填が不完全だと、その隙間から再び細菌が侵入します。また、その後に被せる補綴物の適合が悪い場合も、隙間から感染が再燃します。
マイクロスコープが「再治療」で最も力を発揮する
再根管治療(一度治療された歯の再治療)は、初回治療よりも難易度が高くなります。前回の治療で使われた充填材の除去、折れたファイル(治療器具)の除去、石灰化した根管の開通など、複雑な問題が重なっていることがあります。
マイクロスコープを使うことで、これらの問題を拡大視野で確認しながら対処することができます。肉眼では発見できなかった根管の見逃しや、前回治療の問題点を特定し、適切に処置できる可能性が高まります。
当院では開業当初から、保険・自費を問わず全症例にマイクロスコープとラバーダムを使用しています。「他院で治らないと言われた」「何度も再発する」というケースのご相談を積極的にお受けしています。
「抜くしかない」と言われた歯も、一度相談を
根管治療の再発が繰り返された末に「もうこの歯は保存できない、抜歯するしかない」と告げられるケースがあります。この判断が正しいケースもありますが、マイクロスコープを使った精密な再根管治療によって保存できる可能性が残っている場合もあります。
歯を一本失うことは、隣の歯・噛み合わせ・将来の治療計画に連鎖的な影響を及ぼします。「抜くと決める前に、一度精密根管治療の専門的な評価を受ける」ことは、セカンドオピニオンとして十分に意味のある選択です。
再発を防ぐために、治療後に大切なこと
精密な根管治療を行った後も、治療後の管理が再発防止に直結します。
- 根管治療後は、できるだけ早くしっかりした被せ物(クラウン)を入れる
- 隙間のない精密な補綴物で、再感染経路を遮断する
- 定期的なメンテナンスで、歯周病・二次虫歯を予防する
- 噛み合わせの問題があれば、過剰な力が特定の歯に集中しないよう調整する
根管治療は「終わり」ではなく、その後の管理がセットです。当院では、根管治療後の補綴設計(セラミッククラウンなど)から定期メンテナンスまで、一貫して担当します。
まとめ
根管治療の再発には必ず原因があり、その原因を特定した上で適切に対処することで、多くのケースで改善が期待できます。「また膿んだ」「また痛くなった」という繰り返しに悩んでいる方は、ぜひ一度当院にご相談ください。マイクロスコープとCTを用いた精密診査で、現状を正確にお伝えします。
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