食いしばりで歯が痛いときの治し方|原因に向き合うセルフケアと歯科での対処
桜新町の歯科医師が解説|こもり歯科クリニック 院長 小森真樹(臨床歴19年・日本顎咬合学会 指導医)
食いしばりが続くと、歯がしみたり、噛むと痛んだりすることがあります。痛みを取りたい一心で対処法を探される方は多いのですが、私はいつも、痛みそのものより、その背景にある食いしばりという習慣に目を向けることが大切だとお伝えしています。この記事では、食いしばりによる歯の痛みに対して、ご自身でできることと、歯科での対処を整理します。
食いしばりが歯に痛みを起こす仕組み
本来、上下の歯は、食事や会話のとき以外は触れていないのが自然な状態です。ところが食いしばりがあると、強い力が歯に繰り返しかかります。この力が、歯やそのまわりの組織を刺激し、しみる・噛むと痛むといった症状を引き起こします。痛みは結果であって、原因は「力がかかり続けていること」にあるのです。
自分でできるセルフケア
- 日中、上下の歯が触れていないかを意識する
- 気づいたら、顎や肩の力をふっと抜く
- パソコンやスマートフォンに集中しているときほど注意する
- 睡眠や休息をとり、心身の緊張をためすぎない
注意していただきたいこと
痛みが強いときに、痛み止めを自己判断で使い続けるのは避けてください。薬で痛みを抑えても、食いしばりという原因は残ったままです。一時的にしのげても、根本の解決にはなりません。
歯科でできる対処
歯科では、睡眠中の食いしばりから歯を守るためのマウスピース(ナイトガード)を用いる方法や、噛み合わせに偏りがないかを確認する対応があります。状態によって適した方法は異なるため、まずは原因の見極めから始めます。
私が「痛みより習慣」を診る理由
食いしばりは、ストレスや日々の緊張、集中時の癖など、その方の生活そのものと結びついていることが少なくありません。だから私は、痛む歯だけを見るのではなく、なぜ力がかかっているのかという背景まで含めて考えるようにしています。歯を守ることは、その方の暮らし方を一緒に見直すことでもある——食いしばりの相談を受けるたびに、そう感じています。
痛みが続くときは
セルフケアで改善しない、痛みが強い、しみが続くといった場合は、歯科での相談をおすすめします。食いしばりは気づきにくい習慣だからこそ、専門的な視点で確認する価値があります。