子どもの矯正、マウスピースにこだわらなくていい ― 大切なのは「時期」と、その子に合った方法【桜新町の歯科医師・院長が解説】
お子さんの歯並びについて、「目立たないマウスピースで治したい」とご相談に来られる親御さんが増えました。お気持ちはよくわかります。ただ、長く子どもの矯正に取り組んできた立場から正直にお伝えすると、子どものマウスピース矯正は、思うようにいかないことが少なくありません。今日はその理由と、当院がどう考えているかをお話しします。
なぜ子どもにマウスピースが難しいことがあるのか
理由は大きく二つあります。
ひとつは、一日中、自分の意思で装着し続けること自体が、子どもには難しいということ。マウスピース矯正は装着時間が結果を大きく左右します。大人でも管理が必要なものを、お子さんに毎日徹底してもらうのは、現実にはなかなか簡単ではありません。
もうひとつは、歯の形の問題です。成長途中のお子さんは歯冠(歯の見えている部分)が短いことが多く、装置がしっかり保持されにくい場合があります。
これらが重なって、当院でも「うまく動かない」というケースを何度も経験してきました。
ワイヤーでやり直すと、短期間で整うことも
実際、マウスピースで思うようにいかなかったお子さんを、ワイヤーで治療し直すことがあります。すると、ごく短い期間で歯が並ぶことが少なくありません。前歯のスペースの問題などであれば、数ヶ月で目に見えて変わる場合もあります。
これは「ワイヤーが万能」という意味ではありません。お伝えしたいのは、手段(マウスピースかワイヤーか)を先に決めてしまう発想こそが、遠回りの原因になるということです。その子の性格、歯の生え方、噛み合わせのタイプによって、適した方法は変わります。
子どもで本当に大切なのは「時期」
そして、子どもの矯正でいちばん大きな差を生むのは、実は装置の種類よりも 「いつ手を加えるか」 です。
適切な時期に、必要な分だけ介入すれば、結果的に トータルの治療期間も、費用も、お子さんの負担も抑えられることが確かにあります。たとえば前歯だけであれば、生え替わりのスペースをコントロールしながら、適した時期に手を加えることで、大がかりにせずに整えていけます。逆に、時期を逃したり、合わない方法に固執したりすると、かえって時間も費用もかかってしまう。
これは、たくさんの子どもを診てきたから言えること
こうした見極めは、教科書だけでできるものではないと思っています。いろいろな性格のお子さん、いろいろな噛み合わせのタイプのお子さんを、長年実際に診てきたからこそ、「この子には、この方法を、この時期に」と判断できる。
これは大人の治療で大切にしていることと、まったく同じ考え方です。手段や流行に縛られず、その方(その子)にとって本当に必要なことを、必要なときに行う——当院の一貫した姿勢です。
親御さんへ ― まずは「早めに一度」診せてください
「すぐに全部やりましょう」ということではありません。むしろ逆で、適切な時期を逃さないために、早めに一度ご相談いただきたいのです。今は経過を見るべき段階なのか、今が手を加える時期なのか。その見極めこそが、お子さんの負担とご家庭の費用を抑える一番の近道です。
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ご相談ください
お子さんの歯並びで気になることがあれば、お気軽にご相談ください。お顔と噛み合わせの成長を見ながら、その子に合った方法と時期をご提案します。
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本記事は当院の臨床経験に基づく一般的な説明です。治療の効果や期間には個人差があり、すべての方に同じ結果を保証するものではありません。治療内容・費用・リスクは個々の診断により異なります。